入会して1年目は上司のサポートを受けながら基礎的な知識や技術を習得しました。2年目からは水路や樋門などの測量・設計・積算といった一連の業務に、担当として携わりました。
測量は専門機器を用いて現地の地形や構造物の大きさ・位置・高さを測り、それを基に設計図を描き起こします。積算では様々な基準書や資料を基に、工事にかかる金額を算出します。水土里ネットで設計する案件だけでなく、県が発注する工事の積算を行うこともあります。普段は携わる機会の少ない工事の積算をすることは、とても勉強になります。
初めて主担当となったときには、地形や地盤の構造上、設計が難しい現場だったこともあり、とても苦労しました。上司からアドバイスをもらいつつ分からないところは必死に調べ、何とか図面を完成させました。納品後に工事業者の方から「いい設計ができているよ」とお電話をいただき、安堵したと同時に、すごく嬉しかったです。
今後はため池に関わる設計をやってみたいと思っています。ため池の設計は考えることが非常に多く、一朝一夕にはできません。まずは一回設計を経験することで、また次のステージが見えてくるのではないかと思っています。
地元の方々や農業と密接に関わりながら、調整や手配などの業務だけではなく測量や設計といった実務に携われる点が、仕事の面白さです。新しい案件のスタート時には水路や樋門を実際に使う農家の方々を交えて現地協議を行うことが多いのですが、「ここをこうしてほしい」「これに困っている」といった生の意見を聞き、その実現に携われるということは大きなモチベーションになります。
入会した当時は上司に同行して農家の方々のお話を聞いても、何をどうしたら要望を叶えてあげられるのか、どうやったら問題が改善するのかといったことがイメージできませんでした。経験を積む中で、農家の方々のお話の意図やどういう構造物が必要か、どんな工法だったらできるのかといったことが段々と分かるようになってきましたね。
また、地元の方々の要望も現地の地形や気象条件等も案件ごとに全く異なるため、「前と同じ設計で」という考え方は通用しません。様々な状況を踏まえて最適な設計を行うことはとても難しく、知識も経験も必要ですが、現場が無事に完成したときの達成感は本当に大きいです。
学生時代に学んだ専門知識を活かせることが大きな魅力です。もちろん入会してすぐに、学んだ知識だけで仕事ができるわけではありません。現場の業務を通して経験を重ねていく必要がありますし、勉強したことと違うと思うこともあるかもしれません。
けれども実務に携わっているうちに少しずつですが、「これが実際に壊れずに耐えられるのか」とか「土の圧力はどうだろう」といった場面で、水理学や土質工学、構造力学などの知識が目の前の仕事に繋がっていると感じられるようになります。大学で学んできたことと経験が合わさって、技術力が積み上がっていると実感できます。
さらに、私のいる技術課とは別の部署では、自治体のため池ハザードマップも作成しており、農村環境を様々な面から支える組織全体の高い技術力も魅力だと思います。資格取得費用の助成や取得後の資格手当もあり、技術力を磨く環境が整っています。先輩方は皆さん気さくで、仕事中の質問もしやすいですし、休憩時間には他愛のない話題で和気あいあいと過ごしています。親睦会や職員旅行・サークル活動など交流を深められる機会も多くあり、夏季休暇や家賃の補助など福利厚生も充実しています。
資料や図面を作る際には、自治体や土地改良区といった依頼者の方々や現場の工事業者の方々にとって、的確で分かりやすくすることを意識しています。レイアウトや色を工夫したり、図をできるだけ大きくして細かな数値も書き入れるなど、資料や図面の分かりやすさが、案件全体のクオリティの高さにも繋がると思っています。